皆さん、明けましておめでとうございます。
今年はいよいようさぎ年ですね。久しぶりのブログになりますが、今回はウサギの繁殖能力に関して書いていきたいと思います。
ウサギは繁殖能力が高い生き物ということは、学校のウサギなどのイメージから、なんとなく皆さんご存じだとは思います。
実際数字で考えるとどうかというと、まず繁殖が可能になる年齢(性成熟)はオスで6-10ヶ月、メスで4-8ヶ月頃です。メスの方が早く、また小型のウサギの方が早く性成熟を迎えます。
交尾排卵動物といって、交尾によって排卵が誘発されるため、明確な発情周期はありません。野外の環境では、春に妊娠率が上がるなど、季節性があるそうですが、環境がそろった室内では特に季節に関係無く繁殖が可能です。
妊娠期間は約1ヶ月と短く、子ウサギの数は小型のウサギでは3-6羽ほど、大型のウサギではなんと10羽ほど生まれることもあるそうです。
また出産後は、すぐにまた妊娠することが出来るため、一年間に何回も妊娠出産することが可能です。ウサギは妊娠していてもお腹の膨らみがわかりにくいため、「気がついたら子ウサギがいた」というような話も、飼い主さまから聞いたことがあります。
まとめると、発情周期が無くいつでも交尾可能で受胎率が高いこと、短い妊娠期間で複数の子ウサギが生まれ、次の妊娠までの期間も短いことから、やはりウサギはとても繁殖能力が高い生き物と言えると思います。
ウサギは小型の草食動物で、個体として決して強い動物ではありません。しかし世界の広い地域で生息しており、生き物としては繁栄している面もあると思うと、獣医師としては感慨深いです。
飼い主様には、ウサギの繁殖能力には気をつけて欲しいと思うと共に、ウサギという生き物の、かわいさ以外のすごさも知っていただければと思います。
最後に、これは患者さんにいただいた子ウサギの写真です。生後10日ほどで目が開いてウサギらしくなります。
まん丸でかわいいですよね。
寒い日が続いていますが、ウサギも人も冷えないように、良い1年を過ごしましょう。