そもそもウサギは、食に関してはきわめて保守的です。
ペレットの変更にしても、製造メーカーが同じでも銘柄を変えただけで食べなくなる事があります。
小話2に書いたように、体内に発酵タンクを持っている草食獣は、発酵タンクのなかの微生物の種類が急に変わると命に関わる場合もあるので、食の変更をさける傾向があるのです。
「いつ変えるか、今でしょう」
というわけにはいかないのが現状です。
では、どうすればいいのか。
実は、ウサギが食に保守的なのは大人になってからのことで、成長期は比較的なんでも食べてくれます。成長期に食べた食物の味をよく覚えていて、その食物を好む傾向があるのです。
いわば、おふくろの味を好むということです。
あなたの家に子ウサギを迎えたら、すぐに食育をはじめましょう。
乾燥牧草は草の種類、収穫時期、原産国によって、さまざまな選択肢がありますが、一つの銘柄にこだわらずにいろいろと与えてみてください。
牧草はウサギにとって、あるときは寝床、あるときはトイレ、またあるときは退屈しのぎのおもちゃ、そして主食となってくれます。食べる分だけ与えるのではなく、しきつめるくらい与えてよいのです。汚れたらいさぎよく捨ててください。
牧草で気をつけたいのは、乾燥不足や、保管場所によって生じるカビです。カビは食べて有害なだけでなく、ウサギや人のアレルギーの原因となります。
良質の乾燥牧草はこうばしくてお日様のにおいがします。お日様のにおいといっても、乾燥の方法を天日干しにこだわることはありません。機械乾燥のほうが均一で良質の場合もあります。
湿っていたり、カビ臭いものは与えないでください。
そのように育てていくと、たいていのウサギは好んで牧草を食べるようになるでしょう。
「そんな事言っても、もう私のうさぎは大人で牧草嫌いなんです。」という方。
次回は牧草嫌いのウサギに、牧草を食べてもらう方法を書いていきましょう。